NY Westwood Gallery 2


4泊6日慌ただしいN.Yの旅の様子なども以下に書き留めました。

  
              ソーホー           ウエストウッドギャラリー         村上隆の巨大仏像

 
            グラウンド ゼロ           ロックフェラーセンター

(2003.10.1)
空港に到着したのは朝10時半。機内ではまったく眠れないままホテルへ。現地のアートエージェンシーのスタッフが来る間、ロックフェラーセンターで展示中のアーティスト、村上隆の巨大作品を見に行きました。六本木ヒルズやルイヴィトンのモノグラムでおなじみのアーティストです。村上ワールドのユニークな巨大仏像が何とも楽しくユーモラスでした。その後、ウエストウッドギャラリーへ手持ちの作品を2点持って行きました。場所はソーホーですが、15年前にギャラリー巡りをした時とは街の雰囲気がだいぶ変り、ビルも低層から高層になりブランドショップなどが立ち並んでいました。ダウンタウンという雑多なイメージがなくなりおしゃれな街という感じで、土地の価格もだいぶ上昇したそうです。ギャラリーではキュレタ-のキャベロ氏が展示構成をしている最中でしたが、何とギャラリーが広く天井が高いこと!空間の使い方、作品の見せ方にまるで美術館の様な印象を受けました。部屋もGallery1、Gallery2とふたつに分かれています。NYでは展示構成から価格まですべてキュレターが仕切り、作家は口を出せません。今回9名の作家が各2、3点の作品を出品していますが、私の作品は小さいので5点展示されました。9点の中で残りの4点は奥のスタッフルームに展示し、見たい人に見せるというスタイルがとられました。展示されたのは大地のソファ、鳥の靴2点、花の冠、海の冠です。キャべロ氏はピンクや赤色系の作品に特に興味を示してくれた様です。現地在住のスタッフに3日のレセプションについてのお話をいただき、自分の作品を手直しし、地下鉄でグラウンド、ゼロへ向かいました。現在、次の建築の構想も進行しつつ工事中でしたが、近くの教会では子供たちの反戦メッセージなどが大きく掲げられ、今なおその時の状況を心に焼き付けながら平和を願う人々が沢山訪れていました。私も亡くなられた方の冥福を祈りつつその場を後にしました。ロウア-マンハッタン地区、ブルックリン橋などを少し散策し、その日は寝不足もあって疲れていたのでホテルへ戻りました。


(2003.10.2)
朝7時に起き、町で一番美味しいと言われているベ-グル屋さんで朝食。1度は試したいサーモンクリームチ-ズを食べましたが、ボリュームの多さにびっくり。パンは固めのセサミ(ごま味)で香ばしくまあまあでしたが、途中で飽きました。人と半分にするのがちょうどよい量でしょうか。その後11時からレセプションや今後の打ち合わせの為、ギャラリーへ向かいました。打ち合わせ後、ソーホーにあるニューミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート美術館へ。その美術館は独自のコレクションはあまり所有せず、常に新しい作家を借り出しによる展示という方法で、他の美術館とは異なる試みをしていました。あいにく展示の入れ替え中で見ることができず、展示の延長でもあるミュージアムストアで本や小作品をじっくり見て来ました。ソーホーを散策しいろいろなお店に立ち寄ったあと、ミッドタウンにもどりコンテンポラリー・アート&デザイン美術館へ。近くのモマ近代美術館は、現在改装の為クイーンズに移転しており、以前に行ったこともあり今回は時間の関係で諦めました。コンテンポラリー・アート&デザイン美術館は立体造形の美術館です。自分も立体ゆえ興味があった所でしたが、布、ガラス、スチール、木、陶器など様々なマテリアルの作品がクラフトの域を越えて現代アートとして発信され、特に私は高さ2~3mくらいの木の枝を組み合わせた照明オブジェに目がとまりました。夕方4時にタイムズスクエアで友人と待ち合わせ、今回はビジュアル的に解りやすい Beauty And The Beast 美女と野獣ミュージカルの半額チケットを購入。15年前はオーカルカッタ!という男の人が4人裸で踊っているミュージカルを見たがほとんど内容も覚えていない。夕食をグランドセントラル駅のオイスターバーでとり、ミュージカルは8時からの開演でしたが平日にもかかわらずほぼ満席でした。何と唄が上手く演技の楽しいこと!英語はいまいちなので、人が笑っているのについて行けなかったりしたが、豪華な衣装、何回も変わる舞台セットのすごさ、ゴージャスさ、 NASAの技術を取り入れているという野獣が一瞬にして王子に変わるトリックシーンなど見ごたえがありました。疲れもあって前半途中ウトウトしてしまいましたが、後半には目もパッチリ。日本のミュージカルは好きではない私もけっこう楽しめました。


 
          グッゲンハイム美術館       グッゲンハイム美術館 内部天井

 
                      ホイットニー美術館

(2003.10.3)
レセプションには5時半頃行く予定だったので、今日は朝から美術館とチェルシー地区のギャラリー巡りをしました。まずは、アッパーイーストサイド地区にあるグッゲンハイム美術館。セントラルパークを散策しメトロポリタン美術館の前を横切り約2キロ歩きました。気持ちの良い朝でした。メトロポリタン美術館は前に見たのでパス。世界的に有名なグッゲンハイム美術館の、カタツムリの様な面白い外観にしばし見入り、塗装がはげかかっている外観を気にしながら中へ入りました。その日は2、3、5階の半分の展示場のみ入場でき通常なら15ドルのところたった2ドルでした。中は1階〜最上階まで吹き抜けになっており、天窓がついていてとても開放的な空間。しかしその日は工事の人の出入りが多く、展示を見学しているとなりで壁のペンキを塗っていたり、絵を掛け替えていたり と、日本では考えられない光景に出会いました。展示の方はミロ、ピカソ,ゴーギャン、カンデンスキー、シャガールなどのコレクションが、絵の前に仕切りや柵もないまま間近まで近づくことができる。(もちろん触ったら怒られるだろうが)ちなみに六本木ヒルズの上階にある現代美術館の設計者は、ドイツのグッゲンハイム美術館を設計した人だそうです。楽しいミュージアムショップをのぞいて、時間を気にしつつ、次は1キロ程歩いてホイットニ-美術館へ。ブランドショップやおしゃれな店が立ち並ぶマジソンアベニューを通り、面白いショーウインドウの前ではしばし立ち止まり・・・・。ホイットニ-美術館は、ジャスパージョーンズやウォーホールを所有しており前から行きたかった場所でした。あいにくこの日の金曜日は、1時からのオープンで午前中は入れずとても残念な思いをしました。外観から中をのぞき見入り、一度ホテルへ戻りレセプションの為の用意をして、地下鉄23STチェルシー地区のギャラリーへ。東京のスペースユイのオーナーに、チェルシーのPHギャラリーを紹介してもらっていたのでまずそこへ行きました。NYのアーティスト5人展で、立体、絵画など手法もまちまちですが、みな自然をテーマにした作品を作っていて、ギャラリー内に風や空気が感じられ居心地の良い空間でした。チェルシー地区は他の地区とイメージが変わり、ハドソン川に面したそのあたりは横浜の倉庫街の様です。約200のギャラリーがひしめきあい、1つのビルに20ものギャラリーが入っていたりと、作家の強いエネルギーを感じました。どこから見たものか・・・と思い、まずはPHギャラリーのオーナーに見どころのあるギャラリーを教えてもらいました。外観からは想像もつかない程中が広かったり、立体、イラストレーション、絵画、インスタレーション、様々なエネルギーと巡り合えて何か幸せな気分になりました。ガゴシアンギャラリー、マシュ-マックスギャラリー、メトロピクチャーズ、アメリオテラスギャラリー、アンドレアローソンギャラリー。NYのようにギャラリーが誰でも気軽に入れる空間で、日本でも皆がもっとアートを身近に感じてくれたらいいのにと強く感じました。チェルシーには明日、又来ることにしてウエストウッドギャラリーへ。オープニングレセプションパーティは6時から始まりましたが、本当にあっという間の約3時間でした。約200人以上の人々が来場された様ですが、作品を見入ってくれた人々に自分の作品をつたない英語で積極的にアピールし、そして通訳の人を通じてコミュニケーションしました。日本で印刷したカードブックやポストカード、メッセージカードなども気に入ってくれた人にはプレゼントしました。私もワインを飲みながら、リラックスしながらレセプションに参加することができました。様々な人に接する中で、アートというものが世界共通のコミュニケーションであるということを再認識することができた3時間でした。とにかく楽しかった ! Eメールなども交換しましたが、後で見たらあまりの達筆?にスペルが読めませんでした。


  
                                                   チェルシー地区ギャラリー

  
                             チェルシー地区ギャラリー街     チェルシー Dla center for the Arts

  
                                工事現場の映像を使ったオブジェ

(2003,10.4)
今日は早くもNY最終日。朝食をラジオシティのそばのデリでとり、地下鉄28st、土曜日に開かれているアネックスマーケットの骨董市へ。ガラスの食器やブルーがとてもきれいなカップなどを値切って購入、その後ポストカードの問屋さんなどを覗いて、再びチェルシーのギャラリーへ行きました。昨日見れなかったギャラリーを2時間ほど見て歩きました。もっと見たかったのですが、友人と持ち合わせをしていたので後ろ髪を引かれながらギャラリー街を後にし、グリニッジビレッジ近くのミートパッキング地区へ行き、チェルシーマーケットを散策。がらりと雰囲気の変わった、緑豊かなイギリス風の落ち着いたグリニッジビレッジ地区を通り抜け、夕方又グリニッジビレッジに戻ってくることにして、ウエストウッドギャラリーへ最後の打ち合わせに行きました。キュレターのキャベロ氏、ALCの平田さん、北村さんと4人で話しました。昨日のレセプションでの私の作品についての反応、キャベロ氏の私の作品についてのコメント、そして今後の展開について語ってくれました。お話をして、自信と個展のあと少し失いかけていた制作意欲にまた火がつき、その場を後にしました。友人と再び合流しグリニッジビレッジに戻り、古き内装の居心地のよい雰囲気に包まれたカフェレッジオでエスプレッソを飲み、そこで働いていた女の子がNY大学で 日本語を専攻していると聞き、片言の日本語と英語でお話しました。その後、メキシコ料理店でまたもやボリュームのある食事をし、ミッドタウンのホテルへと地下鉄で戻りました。4泊6日の NYの旅。慌ただしかったけれど、今後のエネルギーになるいい旅ができ満足しています。


  
     ギャラリー屋上から見たハドソン川            チェルシーマーケット            グリニッジビレッジ